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「でも、あなたと会う前は、ちゃんと仕事してましたよ」
「僕と会う前って…」
「…誤解の無いように言わせてもらいますが、これは太子さんにとって、良い傾向なんですよ」
「仕事しなくなったのにですか?」
「まあ、それは…部下にとっては悪い傾向ですが…
太子さんは幼い頃、誰にも心を開きませんでした。
周りにいる人がすぐに変わってしまうから、誰を信じたらいいのか分からなかったんでしょう…
仕事はきちんとこなすけど、限られた人としか顔を合わせない。
それが何年も続いた後、あなたが現れた。
そして、今の太子さんがあるというわけです。」
「…詳しいんですね」
太子と面識がないのに、こんなに太子のことを知ってることが少し面白くなかった。
「まあ、上から見てますから…あなたのこともよく知ってますよ」
「えっ…た、例えば?」
「太子さんの命令でジャージを着たり、草と石をおみやげに法隆ぢに行ったり、一週間太子さんを観察したり…etc.」
「うっ…本当に見てるんですね…というか、ストーk」
「違います!
…でもまあ、無意識のうちに目で追ってしまうんですよね…」
「ん?何か言いましたか?」
「いえ、何も…」
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