20人が本棚に入れています
本棚に追加
部屋の扉を開ける前に立ち止まり、気になっていた疑問を投げかけてみる。
「そういえば、鬼男君は鬼なんだよね?」
「そうですよ」
「てことは、探してる人も、人間じゃないの?」
「まあ、そうですね…正確に言うと、“元”人間ですが」
「元人間?」
「はい」
「どういうこと…?」
「えー…話せば長くなるのですが…
閻魔大王という神の存在を知っていますか?」
「話には聞いたことあります。
…確か、死んだ者の魂を天国か地獄かに分けてる方、ですよね…?」
「その閻魔大王を探してるんです」
「…え、実在するんですか…?」
「しますよ、僕のような鬼がいるよりは現実的でしょう?」
「いや、どっちもどっちかと…」
「そうですか?」
「…ん?鬼男君が探してる人は大王イカさんなんですよね?」
「ええ、まあ…」
「て、ことは…大王イカさん=閻魔大王ってことですか!?」
「はい」
「はい、って…でも、閻魔大王って、偉い人ですよね…というか、神ですよね…そんな人をイカ呼ばわりしていいんですか…?」
「良いんですよ、仕事しない人ですから。あなただって、上司のこと貶してるでしょう?」
「………そうでした」
最初のコメントを投稿しよう!