🍀揺れる想い🍀

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私は、撮影が終わったと同時に、フゥ…と溜め息をついた。 すると、監督が、私の所へ来た。 「杏奈ちゃん、今日は、お疲れ様…。 杏奈ちゃん…どうかした? 君が、撮影中に、ボーッとするなんて、珍しいね…。 体調が、ひどかった時も、撮影中にボーッとすることなんて、なかったのに…。 昨日の撮影の後に、なんかあった?」 監督は、そう言って、心配そうに、私の顔を覗き込んだ。 「いっ…いえ…。 何でもないです…。 半年ぶりの撮影に緊張しすぎて、一瞬、台詞が飛んじゃって…。」 私は、そう言って、苦笑いをした。 “この映画の主人公:彩音のように、和哉より神楽を好きになりかけてるかも…なんて、そんなこと…言えるわけないよ…。 この業界で…そういう話は、バレると、一気に広がる。 もし、そうなったら、和哉にも、神楽にも迷惑がかかってしまう…。 この想いは、何が何でも、私の心の中だけにしまっておいた方がいいんだよね…きっと…。” 私は、そう心の中で呟きながらも、監督と話をしていた。 そして、スタッフさんの片付けが終わると、みんなで、車に乗って、ホテルに戻った。 私の隣には、神楽が座っていて、私は、まともに神楽を見ることができず、狸寝入りをする事にした。
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