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ホテルにつくと、昨日のように、神楽が、起こしてくれた。
「杏ちゃん、疲れてるんだね…。
車に乗った途端に、寝ちゃったし…。
身体…大丈夫!?」
神楽が、私の顔を、心配そうに覗き込んできた。
「顔色もいいし、大丈夫そうだね!!
ひどくなった時は、ちゃんと、言ってね!!」
神楽は、そう言って、私の顔色を見ると優しく笑った。
そんな神楽の優しい笑みに、私は、ドキッとした。
「あっ…ありがとう。
体調は、大丈夫だよ!!」
私は、そう言うと、ニコッと笑って、神楽と2人で、車を降りた。
「杏ちゃんさぁ…なんか、悩みでもあるんじゃない?」
神楽が、車を降りた途端、ボソッと呟いた。
「えっ!?
なっ…何で?」
私は、神楽に聞かれて、驚きを隠せなかった。
“神楽は、昔からそうだった。
一緒にいる時、私が悩んでたり、体調崩してると、誰よりも先に気づいてくれた。
何でだろう?
どうして、私の気持ちが分かっちゃうの?
本当に…神楽は、この映画の悠司のように優しい人…。
嘘をついたり、約束をやぶったことはないけど、いつでも、私の心の支えになってくれていた。”
私は、そう心の中で呟きながら、神楽を見つめた。
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