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私は、神楽への心の変化に、罪悪感を感じながら、和哉からのメールを開いた。
『杏奈…俺…神楽から、お前を奪っちまったのかなぁ…。
昨日…神楽が、泣きながら電話してきてさぁ…。
「和兄…俺…もう少し早く、告白すれば…良かった…。
そしたら、俺…杏ちゃんと付き合えてたかもしれないのに…。」
って…言ってきたんだよ…。
俺は…杏奈を離したくないし…誰にも渡したくない!!って思ってるけど…
神楽が、あんなに、泣いてるの聞いたら…神楽に申し訳ない気持ちになっちゃってさぁ…。
しかも…アイツ、彼女と向き合おうとして、地方撮影に行く前、彼女を部屋に呼んだらしいんだ。
けど、彼女は、杏奈との写真や、杏奈のポスターが、部屋に貼ってるのを見て、すげぇ怒って、別れ話を出してきたらしいんだ。
だから、すげぇ、落ち込んでてさぁ…。
俺…アイツなら、親友だし、いい奴だから、お前を渡してもいいって思ってる…。
杏奈は、今でも、神楽のこと…好きか?』
私は、和哉の突然の別れを求めるようなメールを、しばらく、ボーッと見つめていた。
そして、22時になり、突然、私の携帯が鳴り響いた。
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