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私は、着信音を聞いて、“はっ!!”と我に返った。
携帯画面には、和哉からの着信を知らせるメッセージが出ていた。
私は、慌てて、電話に出た。
「もっ…もしもし…。」
『…さっきの…メール…読んだ?』
「…うっ…う…ん…読んだけど…。」
私が、そう言うと、しばらく、私と和哉の間に沈黙が続いた。
5分程して、沈黙を破ったのは、和哉だった。
『杏奈…今でも、神楽が好きなら、神楽と付き合っていいんだからな!!』
「でっ…でも、私達、まだ、付き合いだしたばっかだし…。」
『そんなの…関係ないじゃん。
大事なのは、お前の気持ちだろ!!
杏奈が、俺より神楽を好きだって言うなら、俺は引くよ!!』
「和哉…何で…そんな…そんなこと…急に言うの?」
私は、そう言って、泣き出してしまった。
『急にじゃ…ないよ…。
杏奈が、今の役を演じることになった時から、ずっと考えてた…。
杏奈…役決まってから、様子がおかしかったし…地方撮影に行く前も、杏奈…何だか、考え込んでたみたいだし…。』
和哉は、寂しそうな声で言った。
私は、和哉の気持ちを聞いて、何も言えなくなってしまった。
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