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和哉のすすり泣く声に、私の胸は、ギューッと締めつけられた。
『そっ…そりゃあ…別れたくないよ…。
別れたくないし…めちゃくちゃ辛いよ…!!
けど…俺は…杏奈にも…神楽にも…幸せになってほしいから…。
それに…俺は…神楽と…杏奈の仲を…引き裂いちゃった…わけだし…。』
和哉は、泣きながら言った。
「じゃあ…和哉は…?
和哉は…幸せじゃなくて…いいの?
神楽と…私は…この業界の…忙しさが原因で…付き合えなかっただけだし…別に…和哉が…悪いわけじゃないよ…!!」
私も、泣きながら、そう言った。
『でも…神楽は、俺より、ずっとずっと前から…杏奈を好きだったわけだし、…
俺にとって、神楽は、親友でもあり、弟みたいな存在だし、
アイツはいい奴だし…すげぇ、真っ直ぐな奴だから…杏奈が、惚れても仕方ないと思ってる…。』
「…和哉…。
でも…もし、私と和哉が別れて、神楽と私が付き合ったら…すごい、ニュースになっちゃうよ!?
和哉…すごい、追いかけられちゃうよ…!?それでも…いいの?」
『そんなの…杏奈が、幸せになるんなら、平気だよ!!』
和哉は、そう言って、鼻で笑った。
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