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私は、そんな和哉の言葉に、罪悪感を感じた。
“この映画の台本を読んだ時は、自分が、こんな風に…和哉を傷つけてしまうなんて思ってなかったし…
ずっと、和哉と一緒にいることが、当たり前だと思ってた…。
和哉と別れる日が来るなんて、考えてなかった…。”
私は、そう心の中で呟きながら、ずっと、黙り込んでいた。
『ごめんな…杏奈…。
俺…お前を幸せにしてやれなくて…。』
和哉は、私が、黙り込む中、ボソリと呟いた。
「そんな!!
私、和哉に、いっぱい幸せをもらったよ!!
和哉と付き合って、私、すごく幸せだったよ!!」
私が言うと、また、しばらく沈黙が続いた。
『実は…俺…杏奈に黙ってたことがあるんだ…。』
しばらくして、和哉が、静かに言った。
「えっ?何!?」
『………。』
和哉は、私が、聞き返すと黙り込んでしまった。
「…和哉…!?」
『あのさ…俺…実は…白血病なんだ…。』
和哉の言葉に、私は、耳を疑った。
「えっ!?嘘…でしょ!?」
『…嘘じゃない…。
今の映画の撮影とドラマの撮影が終わったら入院するんだ…。』
和哉は、そう言うと、また、黙り込んだ。
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