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和哉は、また、しばらく、何も話さなかった。
『…杏奈…ごめん…。
少し…考えさせてほしい…。』
「和哉…。」
『ごめん…。
明日も早朝から、撮影だし、そろそろ寝るよ…。
杏奈も、撮影、頑張れよ!!』
「分かった…。
おやすみ…和哉。」
私は、そう言うと、電話を切った。
そして、そのまま、ベッドに寝ころんだ。
“和哉が…白血病だなんて…。
どうして?どうしてなの!?
私達…まだ、付き合い始めたばかりなのに…
しかも、和哉は、まだまだ、これから、イロイロ活躍していくっていうのに…
なんで…和哉が、白血病になんか、ならなきゃいけないの?
私は、一体…どうすればいいの?”
私は、そう心の中で呟き、ずっと泣いていた。
目を腫らして、明日の撮影に影響するかもしれないとか…その時の私には、何も考えられなかった。
ただ、和哉から告げられた真実が、悔しくて、悲しくて仕方なくって…朝まで、ずっと、涙が止まることはなかった。
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