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その時、部屋の入り口の方で、携帯の着信音が鳴り響いた。
「あっ…杏ちゃん…!?」
数分後、神楽が、声を裏返しながら叫んだ。
「こっ…これ…見て…かっ…和兄…が…どうしよう…!?」
神楽が、そう言いながら、私達に近づいてきた。
「どうしたの?」
私は、和哉の名前が出た時、どういうメールなのか分かったけど、とりあえず、神楽に、どうしたのか問いかけた。
「あっ…杏ちゃん…かっ…和兄が…はっ…白血病になったって…
これ…嘘…だよね…。
俺…今、夢見てんだよね…。」
神楽が、潤んだ目で、私を見ながら、携帯を見せてきた。
私は、その携帯を見ないまま、首を横に振った。
「…嘘じゃない…。
さっきまで腫れてた…私の目が…証拠だよ…。
和哉…自分と別れて…神楽と付き合えって…俺は、もう…守ってやれない…って言うの…。」
私は、そう言うと、また、目が潤んできた。
でも、樹李亜にしてもらった化粧が、落ちたら困るし、必死に、涙を堪えた。
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