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怒っている社長を宥めるように、監督が、社長の肩を叩いた。
「河南さん。
そんなに、怒らないでやってくれ!!
この子達は、いつも、撮影に入ったら、一生懸命だよ!!
けど、なんか…今日は、いつもと様子が違う…。
よっぽど、辛いことが、あったんだと思うし、話を聞いてやってくれ…。」
監督は、優しく言って、微笑んだ。
「ありがとうございます。そう言って戴けると、気が楽になります。」
社長は、そう言って、また、お辞儀をした。
社長に続いて、私と神楽もお辞儀をした。
「監督、今日は、ご迷惑おかけして、本当に、すいませんでした。」
「本当…すいませんでした…。
明日は、ちゃんと、撮影に集中します…。
すいませんでした…。」
私と神楽は、それぞれに言うと、もう一度、お辞儀した。
「世の中、完璧な人間なんていない。
女優も俳優も、みんな、調子が乗らない時だってある。
そういうことばっかでは困るけど、
時には、泣いたり、笑ったり、それが、当たり前だし、気にすることはない。
けど、明日からは、ちゃんとしてくれよ!!」
監督は、そう言って微笑んだ。
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