1594人が本棚に入れています
本棚に追加
私と神楽は頷き、監督にお辞儀をした。
「本当に、すいませんでした。また、明日からお願いします。
それでは、失礼します。」
社長は、そう言ってお辞儀をし、部屋を出て行こうとした。
私と神楽も、もう一度、お辞儀をして、社長と一緒に、監督の部屋を出た。
その途端、私は、また、その場に、泣き崩れた。
「杏ちゃん!!」
神楽が、私に、駆け寄ってきて、立たせてくれた。
「杏奈…大丈夫!?
昨日…和哉君から、事務所に電話があったわ…。
撮影を中断させてしまった手前、ああ言ったけど、昨日、和哉君から、話を聞いて、杏奈と神楽のこと、心配してたのよ…。」
社長は、そう言うと、歩きながら、私の背中をさすってくれた。
「とりあえず、部屋に戻って、ゆっくり休みなさい。」
社長は、すすり泣く私の背中を、優しく撫でながら言った。
「…は…い。」
私は、泣きながら、精一杯の声を出し、頷いた。
神楽も、そんな私を見ながら、今にも泣きそうな顔をしていた。
「神楽は…大丈夫…じゃなさそうね…。
とりあえず…今日は、私も、杏奈の部屋に泊まるけど、神楽も、杏奈の傍にいてあげて…。」
社長は、そう言って、神楽の顔を覗き込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!