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~その夜~
夕食を終えて、部屋に戻ってきた、私と社長と神楽は、和哉の病気のことを話していた。
和哉の骨髄に合うかどうかは分からないけど、私と神楽の骨髄を検査する事を、社長は、許してくれた。
もし…骨髄が適合し、採取をすることになった場合、3~4日の入院が必要だと話すと、
「仕事の都合もあるから、その件に関しては、休みを取れるように調整する。」
と言ってくれた。
21時になって、私の携帯が鳴った。
携帯画面を見ると、和哉からの電話だった。
『もしもし…杏奈?』
私が、電話に出ると、和哉は、か細い声で言った。
「もしもし?
和哉、そんな小さい声で、どうしたの?」
『情けないんだけど…仕事が、終わった瞬間に、倒れちまってさぁ…。
今、病院なんだ…。』
「倒れたって…大丈夫なの?」
『あぁ。
貧血だってさ。
白血病患者には、よく、あるらしい…。
もうすぐしたら、帰れるんだけど…今、点滴中でさ…
本当は、ダメなんだけど、杏奈の声…聞きたくなって…。』
「そっか…。
さっき、社長から、聞いたけど、明日から、入院するんでしょ!?」
私が聞くと、和哉は、『あぁ。』とだけ言って、黙り込んだ。
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