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神楽は、和哉の言葉を聞いて、横にいた私の手を、ギュッと握り締めた。
「…何…弱気…に…なってんだよ…!?
そんな…の…絶対に…許さない…からな!!
俺も…杏ちゃんも…骨髄の検査するし…もしかしたら…合ってるかもしれないじゃんか!!
…だから…そんな…弱気になるなよ!!」
神楽は、泣きながら強い口調で言った。
『…神楽…ありがとう。
ごめん…。
杏奈に…変わってくれるか?』
「あぁ。」
神楽は、頷くと、私に携帯を渡してくれた。
「…もしもし…?」
『杏奈…辛い想いさせて…ごめん。
杏奈と神楽…骨髄…検査してくれるんだってな…。
俺…家族いねぇから…もう…無理かも…って、弱気になってた…。
お前か神楽の…骨髄…合えばいいんだけどな…。』
和哉は、静かに言った。
その声には、全然迷いがなく、覚悟を決めたようにも聞こえた。
きっと、白血病だって分かってから、いっぱい泣いて、ずっと、一人で抱えて、家族がいないし、怖かったに違いない。
でも、私と神楽が、骨髄検査をすると聞いて、安心した声にも聞こえた。
「和哉…私…和哉が、嫌だって言っても、傍にいるからね!!
死ぬなんて…絶対に許さないからね!!」
私は、泣きながらも強い口調で言った。
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