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記者の人が、私にも質問したと思うけど、何を話したのか思い出せない。
和哉のお葬式の翌々日から、私は、仕事を再開した。
社長が、気を使って仕事を休みにしてくれていたのだ。
でも、何時までも、休んでいられないから、気持ちを切り替えて仕事を再開することにした。
ドラマの撮影、CM撮り、雑誌の取材、TV番組の収録、溜まっていた仕事を2日間かけて終わらせた。
そして、私は、和哉の死の哀しみを消そうと、ほとんど休みなく仕事に取り組んだ。
和哉のお葬式から1ヶ月が過ぎ、少しずつ肌寒くなってきた頃…。
私が、いつものように、仕事を終えて帰ってくると、私の部屋の前に、神楽が座り込んでいた。
「神楽…そんな薄着で、何してんの?電話してくれれば、良かったのに…。」
私は、そう声をかけ、神楽に近づいた。
すると、神楽は、俯いていた顔をゆっくり上げ、私を見つめてきた。
顔を上げた神楽を見て、私は、ビックリした。
神楽の顔は、誰かに殴られたのか、目には青あざ、頬は、真っ赤に腫れていた。
「…神楽…!?
どうしたの…何があったの!?」
私は、神楽の顔を覗き込み、神楽を立ち上がらせた。
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