a raw recruit2⃣

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truruuu… 15畳ほどある会議室に電話の音が鳴り響く。 truruuu… 2コール目 ここは東京は新宿にあるSTARS事務所。 部屋の中にはホワイトボードと事務机が5つ。 机の上には、書類らしきファイルが山ほど積んである。 今にも崩れ落ちそうだ。 truruuu… 3コール目。 まだ出ない。 通常、仕事では2コール以内に取らなければならないと会社では教えられる。 truruuu…ガチャ 4コール目で出た。 ?「はい。こちらSTARS事務所の近藤剱です」 電話に出たのはSTARSのリーダーである剱だった。 剱「…ぇ?人員増加の為に募集したですって?」 どうやら電話の相手は、上の役職らしい。 剱は、何が何やらサッパリ分からないといった表情を顔に貼り付けている。 受話器の向こう側では、何やら試験だの面接だのといっている。 剱「…ぇぇ。分かりました。伝えます」 ガチャ…ツゥーツゥー… どうやら電話は終わったらしい。 剱は受話器を静かに置くと、大きな溜め息をつき、独り言を小さく呟いた。 剱「…新メンバー採用かぁ」 その後も何やらブツブツいいながら、他のメンバーに伝えるべく部屋を後にした。 そうか新メンバーか…。 よし! 進行役の俺も応募してみるかな? ぇ? お前じゃ無理だって? 大きなお世話だ。 無理なのは百も承知。 やはり俺には進行役がお似合いなのだ。
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