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数分後、リヒターが帰ってくると、アステルはベッドに横になり眠っていた。
リヒター「…ホットミルク…要らなかったかな」
リヒターは、アステルの顔色が悪くなっていたのに気付き、ホットミルクを入れに行っていたのだが、先にアステルが寝てしまったらしい。
アステル「すー…すー…」
リヒター「…まったく。人を庇うのに必死になって、体調悪くする奴が何処にいるんだ」
リヒターは、机にホットミルクを置き、タオルケットをアステルにかけた。
アステル「…ン…ぅ…」
ごろんっとアステルは寝返りを打つ。
リヒター「さ。俺は、準備をしないとな…」
リヒターがアステルの頭を撫で、立とうとした時、
ぎゅっ…
リヒター「…アステル?」
アステル「…ン…リヒター…置いて…いか…ないで…」
アステルが服の先を掴み離さない。
リヒター「…まったく。お前は…」
リヒターは子守唄を歌う。
優しく、
暖かくて
あたりを包み込むような…
アステルがきっと、
俺にくれた、勇気だから。
ハーフエルフだから
人間だから
そんなの庇うのに関係無かったんだ。
アステルは
俺を親友だから庇ったんだ
アステルの心は
硝子みたいに透き通ってて触ったらきっと、
割れてしまうかもしれない
それでも俺は…
アステルのくれた勇気がある。だから、アステル。
俺は、
手を伸ばすよ。
君の心に触れるために。
…たとえ
俺が、
哀しい方へ選ばなくてはならなくとも…
それが、きっと
俺の出した答えなのだから
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