第3話 儚き願い、勇気の先に…

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数分後、リヒターが帰ってくると、アステルはベッドに横になり眠っていた。 リヒター「…ホットミルク…要らなかったかな」 リヒターは、アステルの顔色が悪くなっていたのに気付き、ホットミルクを入れに行っていたのだが、先にアステルが寝てしまったらしい。 アステル「すー…すー…」 リヒター「…まったく。人を庇うのに必死になって、体調悪くする奴が何処にいるんだ」 リヒターは、机にホットミルクを置き、タオルケットをアステルにかけた。 アステル「…ン…ぅ…」 ごろんっとアステルは寝返りを打つ。 リヒター「さ。俺は、準備をしないとな…」 リヒターがアステルの頭を撫で、立とうとした時、 ぎゅっ… リヒター「…アステル?」 アステル「…ン…リヒター…置いて…いか…ないで…」 アステルが服の先を掴み離さない。 リヒター「…まったく。お前は…」 リヒターは子守唄を歌う。 優しく、 暖かくて あたりを包み込むような… アステルがきっと、 俺にくれた、勇気だから。 ハーフエルフだから 人間だから そんなの庇うのに関係無かったんだ。 アステルは 俺を親友だから庇ったんだ アステルの心は 硝子みたいに透き通ってて触ったらきっと、 割れてしまうかもしれない それでも俺は… アステルのくれた勇気がある。だから、アステル。 俺は、 手を伸ばすよ。 君の心に触れるために。 …たとえ 俺が、 哀しい方へ選ばなくてはならなくとも… それが、きっと 俺の出した答えなのだから
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