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ロルグは怪訝そうな表情で「おっかけ?」と少女の言葉を復唱する。
「そうですぅ、おっかけですぅ。だからぁ、ロルグさんをぉ、見たらぁ、思わずぅ、走っちゃいぃ、ましたぁ」
少女はえへへぇ、と照れながらその事をロルグに告げると、いきなり何かを思い出した顔をして、何かを取り出した。
「これをぉ、見てぇ、くださいぃ。ファンクラブナンバぁー、二桁会員なんですよぉ?」
少女が取り出したカードには『ロルグ=アクセレイ様スキスキ同盟 会員ナンバー000045 エルール=コン=グラーツィア』と記されてあった。
ロルグは一瞬、驚いたが、すぐに表情を戻す。しかし、顔は先程よりも心なしか穏やかになっていた。
「まぁ、そのカードでお前の疑いは、一応晴れたな」
「そ、それではぁ、握手――」
「まだだ。確かこの同盟とやらは、三年前に解散した筈だ。何故、今更になってお前は俺の前に姿を現した?」
隙を見せないロルグは少女に対し、更なる質問を繰り出す。的確に痛い所を付く質問に少女は困った様な顔をするが、「仕方ぁ、無いですねぇ」と質問に答える。
「でもぉ、このままだとぉ、ぐだぐだにぃ、なるのでぇ、『交代』ぃ、しますねぇ」
「――は? 交代?」
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