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少女が発する言葉の一つ一つに反応するロルグ。確かに、少女の発言は少し、いや結構、普通とはかけ離れていた。
――おっかけ?
――交代?
そんな職業(ジョブ)聞いたことがない上に、交代すると言われても肝心の代わりがどこにも見当たらない。そんな少女の奇妙奇天烈な言葉に、ロルグは己の信ずる常識を揺るがされるが、少女の顔を見ていると何故かあながち有り得なくもないと思えてしまう。
探りを入れるわけではないが、少女を見つめているロルグに対し、少女が口を開く。
「そんなにぃ、見つめられるとぉ、恥ずかしくてぇ、交代しにくい~、ですぅ」
「あ、あぁ、悪い」
突然の事で不意を突かれる形になったロルグは、慌てて目を逸らす。それを確認した少女は目を瞑りながら手で十字を切り、ある言葉を唱える。
「――“交代ぃ”(チェンジぃ)」
すると、少女から眩いばかりの光が――発する事も無く、特に変化は見られない。もしかすると変身するんじゃ無いだろうか、と少し期待していたロルグは少しがっかりした。
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