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「……は?」
アンナの二度目の驚き(?)の声を発する。
コトリ、と麻袋から出された物は白く棒状のもので、何やらオーラを纏っている。所々に白色とは対称的な赤色の斑模様があり、どことなく野生の文化を感じる代物である。その代物を固有名詞で表すのであれば『トロールの肉(亡骸ver.)』であろう。
まぁ、要約すればトロールの骨(中)と言うことだ。
トロールの骨を目の前にしたアンナに、男は物凄い剣幕で睨まれた。すかさず男は彼女に対し、やれやれといった口調で「冗談だ」とトロールの骨を麻袋に再びしまい、懐から別の麻袋を差し出す。
「俺、疲れたから後の事は頼んだ。……それ開けても、チビんなよ」
予め用意してたであろう台詞をビシッと決めた(つもりの)男は店から出ようと扉を開こう……としたがその前に猛烈な勢いで扉が開かれ、少し怯んでしまう。
猛烈な勢いで扉を開けたのは、この場所にはとても不釣り合いな少女だった。容姿はというと店内と外の明るさに差があるため、目が眩んで良く見えない。だだハッキリとしているのは腰まで伸びた艶のある金色の髪とピンクのワンピースのみ。
――突然、その少女は身に纏ってるピンクのワンピースを揺らめかせながら大声を発した。
「ロルグさぁぁん!! 居るんでしょぉぉう!?」
少女の呼び声に、賑やかだった店内は閑散とした。
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