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年老いた優しい顔をした男は2人の姿を見届けると部屋の外へと出て行った。
部屋の中には2人きり。
2人は手を繋いだまま黙っている。
するとノアが口を開く。
「ねぇ…キミ…名前は何…?」
ノアは少年の顔を見る。
少年は何も言わず首を左右に振った。
ノアは不思議そうに
「名前…無いの…?」
と続けた…。
少年はコクリと一度だけ頷く。
「そっか…僕も…最初は…名前が無かったんだ…一緒だね。」
ノアは表情が無いながらも頑張って微笑んでみせた。
そんなノアを少年は不器用な手つきで抱き締める。
「…?どうした…の?」
抱き締められて驚いたノアは一旦少年から体を引き離す。
ノアは少年の顔を覗き込んだ。
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