ロゼルの過去

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少年が窓の外を眺めていると再び部屋の扉が開いた。 《ビクッ》 少年の体は見て分かるほど怯えた様子で跳ね、少年はゆっくりと扉の方へと目をやった。 そこにはまた年老いた優しい顔の男。 それと 少年と同い年くらいの女性並みに美しい顔の男が立っていた。 ――怖い…怖い…。 少年は表情を強ばらせる。 「この子の名前はノアだ、ノア・スパークル。君の友達にどうだろうか?」 年老いた優しい顔の男は少年へ微笑みかけるとノアという少年を部屋へと入れた。 「僕はノア…お友達に…なろ…?」 ノアは少年へと近寄ると握手を求める。 少年は怯えていたが、ノアを見ると怯えていた表情が消えた。 ノアは心がないような表情をしていた。 喜びも 悲しみも 痛みも 何も感じない…という表情。 笑いも 泣きも 怒りもしない。 全てを失ったという表情… 少年はノアの差し出していた手を取った…  
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