脱却!

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要約するとこうだ。 ゲームの内容は概ね紙に記されていたとおりだ。参加者は九六時間逃げ切るか、グールを全て倒せば勝者となる。ゲームと称されるエスケープだが、一般法は適用される。つまり、もしグールを殺そうものなら、その時点で殺人者となるわけだ。 そしてこのグールだが、主催側が用意するらしく誰がグールになるのかはわからない。アットランダムに選ぶのか、ゲーム登録者の身近な人を選ぶのか、性別、格好など情報は皆無だった。参加者は、ゲーム中常に周囲を警戒していなければならないようだ。 ゲーム開始は、登録者の周囲で何か大きな出来事が起これば、それが開始の合図となる。漠然とした合図だが、登録をしてだいたい三日から四日後のことだ。 おおよそこのような感じで、あとはゲームに参加してみなければわからない。俺は登録者ページを開いて迷っていた。 「美羽、もし兄ちゃんがひとつ願いを叶えてあげるっていったら、どんなことを願う」 「叶えてくれるの? うーんとねえ……」 美羽は小さな頭で必死に考えている様子だった。うーん、うーんと唸っている。
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