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「うわぁ~!!」
…ガラガラ…
揺れは収まったが、階段は瓦礫で塞がれてしまった。
惣一郎は起き上がった。
「みんな大丈夫?」
「私は大丈夫…」
橘が辺りを見回している。
「…他の…みんなは…何処?」
惣一郎は瓦礫の壁に振り向いた。
「隆夫!ヒロ!七瀬!何処だ!」
惣一郎は叫んだ。
沈黙がその場を支配する…
「…ねぇ…みんなは前を降りてたよね…まさか…みんな…」
橘は足と声が震えていた。
「…惣~っ!…」
瓦礫の壁から声が聞こえた。
「…隆夫…隆夫か?」
惣一郎は瓦礫の壁に近寄り話しかけた。
「あぁ…こっちは大丈夫だ。橘は居るか?」
「居るぞ!他の2人が居ないんだ!」
「ヒロと七瀬はここに居る。別に怪我もない。そっちはどうだ?」
「そうか…こっちも大丈夫だ。」
「この瓦礫…退かせそうもないな…
反対側に階段あるはずだ…
そっちから外に出てくれ。
俺たちはこのまま外に出て待つから…」
「あぁわかった。気を付けろよ…」
「…待って…」
橘が話しにわって入る。
「橘?」
「風祭君…外に出たら…駅の方にある大きな公園に向かって…」
「公園?なんで?」
「私の部屋…外見えたけど、辺りはかなり壊れてたから…私たち待ってると危ないと思う。」
「だけど、別々にならない方が良くないか?」
「だから、お互い公園を目指して待ち合わせましょう…噴水付近を目印に…公園なら周りに崩れ落ちる物もないから…」
「でも、お前らに何かあったら…」
「ヒロ…橘の言う通りにしてくれ…」
「惣…お前まで…」
「この瓦礫…逃げれるヤツから先に逃げた方がいい…公園で会おう」
「お、おい…」
「橘、行こう」
「待てよ…絶対、無事に来いよ!」
「あぁ~お前らもな!」
惣一郎と橘は2階に引き返した。
廊下には瓦礫が転がっている。
「これ…向こうの階段は大丈夫かな…」
「とにかく…行くしかないよ…小林くん…」
「そうだな…」
2人は階段に向かった。
途中に瓦礫の山になった場所もあったが、廊下は塞がっては居なかった。
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