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「良かった…こっちは塞がってなさそうだ…」
「うん。急ぎましょう」
2人が階段を降りて、踊場に出た時…
「…嘘だろ…」
階段は無くなっていた。
高さは3~4m程だろうか…
その下はすぐに1階だが…降りる階段は崩れ落ちていた…
「他に階段って…」
「…多分なかったよ…」
「…ねぇ…カーテンとか使えないかな…」
「え?」
「良く映画とかであるじゃない…カーテンをロープ変わりに…え~と…」
橘は辺りを見回す。
「あ…瓦礫に縛って、あの窓に引っ掻けて…」
「あぁ~…やってみよう!」
2人は2階の部屋からカーテンを2枚取った。
「あ…カーテン…切るハサミとかなかった…」
「カーテンが裂けれは良いんだろ…」
惣一郎はそう言うと、近くの瓦礫を拾い、自動販売機に投げつけた。
パーン…
とカバーが割れた…
尖ったカバーでカーテンに少し切り込みを入れた。
「橘…このくらい切り込みあったら…お前なら簡単に裂けないか?」
「あ…うん…貸して…」
ビリビリビリ…
「イケるイケる。小林くん、どんどん切り込んで!」
そして、2人は2枚のカーテンからロープを作った。
手頃な瓦礫にしっかりと結び…窓の外に出して窓を閉める。
ロープを窓のとってに巻き付け…
クイックイッ…と強さを確認した。
「よし…大丈夫だな…」
「そうね…」
「それじゃぁ、俺(私)が支えるから先に降りて…」
2人は同時に、同じ事を言った。
「………」
「…俺(私)が支えるから先に…」
「…小林君…先に行って…」
「橘…レディファーストだ…」
「私の方が力あるから!」
「それでも、橘は女だぞ!」
「今はそんな事言ってる場合じゃないでしょ!」
「いくら強くたって、す…」
「ん?す…?何よ?」
『好きな相手くらい自分が守りたい』
惣一郎は言えなかった。
「とにかく…先に降りてくれよ…頼むから…」
「…わかったわよ…小林君たまに頑固だよね~」
橘はロープを伝い下に降り始めた。
「ねぇ?大丈夫?」
「大丈夫だよ…俺だってある程度は力あるんだぞ…」
「…重いとか言わないでよ…」
「…言わない…から…早く降りろよ…」
そして、橘は無事に降りた。
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