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「わかんないけど…
腕は…くっついたの?」
「うん…」
「ねぇ…見ていい?」
「え?…いいけど…傷跡とかないよ?」
「良いから見せて」
惣一郎は立ち止まり、腕を捲くる。
「この辺からちぎれてたんだ…」
「ん~全然わからない…」
「だから、言ったじゃない…」
「ん~…やっぱり驚いたよ…
怖いって少し思ったかも知れないけど…
小林くんは小林くんだもんね?」
「そっかぁ~そう言ってくれたら助かるよ。」
そう言いながら、2人はたま歩き始めた。
「ねぇ?小林くんに子供出来たら、子供も色んな力あるんだよね?
なんか楽しそうだよね?」
「あ…いや~俺の子供は多分ないんだよ。」
「え?でも、さっき家系って…」
「第一子の家系だけなんだよ。」
「第一子?」
「だから、姉ちゃんの子供なら超能力があるけど、俺の子供は無いはずだよ」
「そうなんだ…ちょっと残念かな…」
「え?」
「あ…あのさぁ…小林くんって彼女居ない…よね?」
「うん、そうだけど…」
「この前、私のクラスのコ振ったよね?」
「…あぁ…なにか聞いたの?」
「…別に好きなコが居るって…言ったよね?…」
「うん…」
「そのコの名前も言ったよね?」
「…聞かないと諦められないって言われたからね…」
「…それって…なんか仕方なく名前出したとかだよね~?…アハハ…」
橘は、少し頬を赤く染めチラチラと惣一郎を見ている。
「…もし俺が言った通りなら…本当だよ…」
「…あ…あの…私の名前…だった?」
「…うん…」
「…あ…えっと…」
「橘、俺はあの時からお前が好きだよ。」
「…で…でも、私…女らしくない…がさつだし…」
「たしかに、出会いは肋骨折られるって最悪だったけど…
橘は凄く女らしいよ。」
「小林くん…あの私も…」
橘は急に走り出した。
「…橘?」
少し離れて止まると、橘はゆっくりこちらを振り返った。
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