…帰還…

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…… 俺の力は呪われている… 死ぬ程の怪我も完治するこの力が… あれほど求めた自分の力が… 何故こんな…ことに… ……………… ガガガガガガガガ……… 大きな揺れが2人を襲った。 地面に亀裂が入る。 まるで2人の絆を繋ぐように… なす術もなく、亀裂に2人は飲み込まれた。 落ちながら惣一郎は見た…。 橘…いや…楓が壁に打ち付けられ…肉塊になる様を… 惣一郎も打ち付けられる。 激痛が惣一郎を襲いながらも治癒が惣一郎の意識を繋ぎ止めた。 深さ約10mに及ぶ亀裂に呑まれた2人…。 惣一郎は四肢が複雑に折れ曲がり…激痛が身体を支配する。 惣一郎の目の先には… もう微笑む事はない… 変わり果てた楓が転がっていた… 「…か…楓…かえでー!!!!」 惣一郎は吠えた…。 3日後、惣一郎は無傷で発見された。 惣一郎は、発見された時、楓の骸を抱きしめ泣き続けて居た。 ………………… そして、楓の葬儀に惣一郎は参列している。 隆夫、ヒロ、七瀬も無事だった。 同校の修学旅行生…336人中…重軽傷者184人 …死者78人 惣一郎は何故自分も一緒にいけなかったのか… 何故77人じゃなかったのか… 約1年越しの片思いは… 結ばれた瞬間に… 今、永遠に切り離された… 惣一郎はまだ気付いて居ない… 残される者の苦しみを 未来永劫… 味わう事を… 自分の力が【治癒】てはなく、本当に【不死】だと言うことに…
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