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『…地震だ…隆夫?…ヒロ?』
「隆夫!!!ヒロ!!!居ないのか!!!隆夫!!ヒロ!!!」
惣一郎は叫んだ。
そして、うっすらと目が闇に慣れて来た…
『…手…が…』
目の前には腕が転がっていた…
惣一郎の右腕は切断されていた。
左腕は身体の下敷きになっているだけだったようだ。
『動かないな…左腕は骨が折れてるから動かないのか?』
惣一郎は、重い原因を確認したが、少し瓦礫が乗っているだけだった…。
『足は…動かない…足も折れてるのか…?指は動いた…折れてだけだな…』
『確か、体質系の力は常に発動してるけと、念じる事で抑えたり、強めたりも出来るって静さん言ってたよな…』
惣一郎は呼吸を調え集中した…
『先ずは…左腕を…』
メキ…メキ…
左腕から微かな音がする。
『グッ…骨の再生って…ちょっと…痛い…かも…次は足だな…』
「ぐぁ…あ…」
惣一郎は声が漏れた。
「派手に折れてのかな…今のは…本当に痛かった…でも、これで動けるはずだ…」
惣一郎は左手を下に付き、瓦礫を押し上げた。
右腕は二の腕の真ん中辺りから切断されていたが、血は出ていなかった。
「なんで血が出てないんだろ…いや…服の切れ端に付いてるから…止まったのか…?
前にも血はかなり流れたのに、別に貧血にもならなかったな…。
血も再生…ってか増えるのかな?
んで死なないように勝手に止血するとか?
ん~自分の身体なのに今市わからん;」
惣一郎は少し腑に落ちなかった。
「まぁ体質系は意識で抑えるのも限界があるって静さん言ってたから…俺の場合、生命の危機には勝手に活発になるのかな~?」
惣一郎は転がっている右腕を拾った。
そして、切断面を合わせた。
『くっつかないと困るけど…くっついたら…なんか本当化け物かも;』
惣一郎は右腕の再生に集中した。
グチャヌチャ…
右腕から気持ち悪い音がする。
「ぐがががが…あああ…」
惣一郎は前屈みになりながら悶絶している。
「ぐぁ…がはぁ…」
惣一郎は右手を開いたり、閉じたりした。
「よし…動く…って切断した腕引っ付けるのってあんなに痛いのかよ…」
辺りを見るとそこは、
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