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はじめに、世界の疑問や疑惑
男は物心がついた頃から思い始める。
最初に世界に疑いを思わせた出来事はありふれた幼稚園のバザーの時だった。
始めから一等の景品が貰えると思った。
そこで始めて予想どおりの現実が通りすぎた瞬間だった。
誰もこんな出来事を不思議だなんて思う事は無い完成され尽くした世界。
そこで人間は午前0時から午後12時までを休む事なく呼吸をし
勉強をして
働いて
食べて
眠り
TVを見たり
音楽を聞いたり
生命を保っている。
そこに疑惑や疑いの入り込む余地なんてこの世界には無い。
誰の視界から見ても完璧なほど完成され尽くした世界。
男でさえ自分自身が世界を疑って否定している事が正しいのか分らない。
もしかしたら男は間違えているのかも知れない。
男は精神が弱く不十分で不完全などこか欠落した人間なのかも知れない。
そう男に思わせる世界を男は疑わないでいられない。
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