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「それから?」
「それだけ。」
なんだ。そんなことで、幽霊がいるかいないかわかるの。」
「ああ。投げたスプーンの音がチャリンとしたら幽霊はいないけど、もし、音がしなかったらそばに幽霊がいる証拠だって。」
「へーえ、今夜やってみようかな。」
話がもりあがったところに、担任の先生がきたため、みんなあわてて掃除にとりかかりました。
その夜、大変なことがおこりました。T男が急死したのです。じつは、昼間の話をまねて夜中の十二時にスプーンを投げたところ、音がしなかったため、人一倍おくびょうなT男は、ショックで心臓発作を起こしたのです。お葬式のあと、K太たち親しかった友達が数人でT男の家をたずねました。お母さんは、友達がきてくれたからといってT男の部屋に案内してくれました。その時、K太はベッドのふとんの上にスプーンが落ちているのをみて、内心ドキリとしました。
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