九死に一生を

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「小野さん、こんなところで暴れたらすぐにオマワリが飛んで来ますよ。」 「そんなこと気にすんなァ… すぐに殺してやるからな…」 小野がジャケットの内ポケットに手を入れた瞬間、俺は床を蹴り小野の懐に飛び込んだ。 「勝倉さん、逃げろ!」 俺の肩は小野のみぞおちに入り、一瞬呼吸が止まった。 その隙をついて玄関に走る勝倉。 大きな背中が視界の隅に入った。 「小僧ぉ…」 後頭部に衝撃が走る。 小野が肘を落としてきたようだ。 一瞬力が抜けるが、右足を踏ん張り肩を小野の腹に押し込んだ。 「…ッ……」 そして小野の膝を抱え肩を抱き、腰を反らすと体重をかけ床に叩きつけた。 「…ァガッ……!」 我ながら綺麗なバックドロップがきまった。 小野は白眼を剥きよだれを垂らし失神している。 失禁のオマケ付きだった。 パチ…パチ…パチ… ゆったりとした拍手に振り返ると、苦笑いの勝倉が立っていた。
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