九死に一生を

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「もしも…」 「寛貴!!」 スピーカーから放たれた酒やけした声。 それは我が恩師神からのものだ。 「最近、部活の話してなかったが来週から中体連なんだよ!」 「あ…」 そういえばあの日以来部活に出ていなかった。 幽霊の件で松中と会った際にも部活に関して口を聞いていなかった。 「今日が11日の金曜で… 19日の土曜からなんだよ! 明日、明後日と練習組んであるから頼むよコーチ!」 思えば7月も早半ば、そういえばそんな時期だ。 しかし勝倉が死んで数日しか経たない。 野球なんてしていて良いのだろうか… 「じゃあ頼んだよ! 明日8時にグラウンド集合!ツーツーツー…」 黙って考えていると、一方的に通話は断たれた。
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