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何故?
そう誰しもが妹の志奈の自殺に思った。
あんなに明るくて優しい子が何故?
死人に口無し。
もう志奈が話すことは永遠に出来ない。
ただ残された家族は彼女の歩いた道を探し、自ら歩いて彼女の闇を探す…。
じめじめとした梅雨の6月、葬式も終わり、2週間が立った。
俺と母さんは志奈の部屋をあさっていた。
闇を探し出すために…。
妹は高1になったばかりだった。
高校の廊下でたまに見る妹は友人に囲まれ、幸せそうだった。
鍵が付いている唯一の引き出し。
その鍵の隠し場所を俺は知ってる。
本が好きだった志奈。
厚い古本の数十頁に穴をあけ、その中に鍵を入れている。
いかにも志奈らしい隠し方だ。
そっとその本を手に取り、中にある鍵で引き出しを開けた。
中に入っていたのは一本のビデオテープ。
それが遺書だと何故か俺は疑わなかった。
母さんに声を掛けて二人でリビングに降りた。
ビデオデッキにテープを差し込み、再生する。
映し出されたのは妹と獣。
いや、6人の男。
人間とそれらを俺は出来れば呼びたくない。
代わる代わる男たちは入れ替り、妹を犯していた…。
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