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これを警察に提出してどうなるのか?
志奈はもう居ない。
相手の獣共の言葉が聞き届けられ、了承の上でのSEXとされ、志奈に淫乱という烙印が押されるだけだろう…。
わざわざ妹をレイプされた女と世間に言う必要は無い。
そんなことを考えている内に画面はすなあらしになっていた。
母さんもいつの間にか部屋に戻って来ていて、後ろのソファーでぐったりと横たわっていた。
ザーザーとすなあらしの音がしなくなった。
TVに視線を戻す。
志奈が今まさに見ていたレイプが行われた部屋と同じ部屋で、椅子に座って此方を見つめていた。
これを誰かが見てるってことは私、死んだんだろうなぁ…。
そうTV画面にいる志奈が笑った。
見たことも無いくらい幸せそうに…。
見てるのは多分、お兄ちゃんでしょ?
そうまた、笑った。
私をレイプしたのはクラスメートの男子だよ。秘密がバレてバラすぞって…‥―。
秘密…?
レイプされつまでも、自殺してまでも守りたかった秘密…。
秘密がバレたのは本当に偶然だったの。携帯を落として、拾ってくれた男子にメール見られちゃってさ…。
今度は苦笑い。
…どうして志奈は笑っているのか?
まるで全てを諦めているかのようだった。
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