第14章

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青い月が、王都を照らしている。 大きな屋敷の屋根の上に、人影があった。 スラリとした肢体。 月に輝く銀の髪。 腰には刀。 「俺の、運命」 そう呟くと、影は腰の刀をゆっくりと抜く。 月と同じ、青い銀光がほのかに輝いていた。 「サイ、あそこにあるのですか。あなたの求めるものが」 そう呟きながら、影は屋根の上で高く跳躍すると、その姿をかきけす。 それは、『月』の方角だった。
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