第2章

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「ゆう。こちら香椎さん」 香椎は小さく礼をしながら、ゆうの足元を確認する。 家の中が暗く、影は確認できない。 「誰、瑠璃のなんなのさ」 「あ、あの」 答えに詰まったのか、瑠璃は言葉をにごす。 「俺は君を助けに来たんだよ」 香椎がかわりに答えた。 「…助けに?助けなんかいらない」 「でもゆう、最近のあんたおかしいよ。夜中に一体どこいってるの?」 瑠璃はゆうの肩を掴もうとする。 パチン。 その手はゆうに振り払われた。 「触んないで」 表情のない、淡々とした声でゆうは言った。
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