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閉められた扉の前で、瑠璃はぎゅっと払われた手を握りしめる。
「彼は…」
呟いた香椎に気がついたのか、瑠璃ははっと顔を上げた。
「あ、すみません。お恥ずかしいところを見せちゃいましたね」
「君が…知ってるといっていたね。彼に。ゆうになにがあったか」
香椎の言葉に、瑠璃は言葉を失うように沈黙する。
その顔色を青…いや蒼白にさせて。
「…瑠璃さん?」
覗きこむ香椎に、瑠璃ははっとなったのかあわてて表情をもどした。
「そうですね。貴方には聞く権利…ありますものね。身内の恥だとあまり口には出したくないのですが」
申し訳なさそうな表情で、瑠璃は小さく笑みをこぼした。
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