第2章

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「とりあえず、影は確認できなかった。残るは夜に張り込んで尾行するしか…」 香椎は顎に手をあて考え込む。 「ひとつだけ。帰ってきた次の日のゆう。かすかに花の香りがするんです」 「花?」 聞き返す香椎に、瑠璃はこくりとうなずき返す。 「なんの花かはわかりませんが。毎回同じ香りなんです。まるで女性の香水のような」 「香水か…」 香椎はしばらく考えると、くるりと瑠璃に背を向ける。 「あ、あの」 引き留めようとする瑠璃に、香椎は顔だけを瑠璃に向ける。 「心配するな。ちょっと調べてくる。また夜に連絡するから」 それだけを伝え、香椎は急ぐように屋敷を飛び出した。
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