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『月』に帰った香椎は思わず目を丸くした。
畳の上に座り込んだ朔と、その髪をひとつに三つ編みしている昴の姿が目に入ったからだ。
「あ、しいちゃん。お帰り~」
「…お帰りなさい」
能天気な朔の声と、反対にぶすっとした様子の昴。
「珍しく仲良しさんだな」
「どこが?!ねぇどこがですか!」
昴は涙ながらに香椎にすがりつく。
「だあめ、昴ちゃんまだ途中~」
朔が、すいっと片手をふると、香椎にすがりついていた昴が、いやいやをしながら再び朔の元に歩いていき、三つ編みを再開する。
「術のアヤツリか?」
「ピンポーン♪昴ちゃんが第一回ぞうきんがけバトルに負けたから今日はしもべー」
「た、助けてください~」
香椎はやれやれと呆れた様に首をすくめ、自分の部屋へと戻っていった。
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