第2章

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『月』に帰った香椎は思わず目を丸くした。 畳の上に座り込んだ朔と、その髪をひとつに三つ編みしている昴の姿が目に入ったからだ。 「あ、しいちゃん。お帰り~」 「…お帰りなさい」 能天気な朔の声と、反対にぶすっとした様子の昴。 「珍しく仲良しさんだな」 「どこが?!ねぇどこがですか!」 昴は涙ながらに香椎にすがりつく。 「だあめ、昴ちゃんまだ途中~」 朔が、すいっと片手をふると、香椎にすがりついていた昴が、いやいやをしながら再び朔の元に歩いていき、三つ編みを再開する。 「術のアヤツリか?」 「ピンポーン♪昴ちゃんが第一回ぞうきんがけバトルに負けたから今日はしもべー」 「た、助けてください~」 香椎はやれやれと呆れた様に首をすくめ、自分の部屋へと戻っていった。
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