序章

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「じゃあ締めは愛しのしいちゃんにお願いしまーす」 朔がそう言いながら香椎に道を譲る。 「だから、しいちゃんって言うな」 香椎があきれたようにため息をついて言うと、顔つきを変え。改めて日本刀をアヤカシに向けて構えた。 アヤカシは傷から血を流しながらも香椎に向き合り歯を剥き出して威嚇する。 『アヤカシオクリごときが我を殺せるかあ!』 「じゃあ、試してみればいい」 カチャリと刀を鳴らし、香椎は笑みを溢した。 アヤカシは壁を飛び移り、香椎に向けて鋭い爪を向ける。 香椎はふっと身を引き、爪をなんなくかわすと、持っていた刀を下段から一気に斬り上げた。 『グァオオオオ!!』 アヤカシが断末魔の悲鳴をあげる。 ぼとり、と切られた腕が大量の血と共に落ちた。 「今度は命はないぞ」 香椎は苦しむアヤカシに、真顔で刀を向けた。
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