番外編~その後~

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  「巧さ、俺が部屋に引きこもってた時も、帰れって罵声浴びせた後も毎日学校帰りに家来てくれたんだ。 最初は欝陶しく感じたけど、だんだん放課後の時間帯に毎回鳴るチャイムが嬉しくなってさ、友達ってこういう奴の事言うんだなって泣いて喜んだよ」 そうやって話す智久君は、過去のトラウマを話してるにも関わらず嬉しそうで、白河君の大きさが改めて感じとれた。 「高校の事話したらさ、『俺も同じところ行くから大丈夫だって!』って励ましてくれた。本当は俺と一緒に説得して欲しかっただけなんだけど、その優しさが嬉しくて何も言わなかった。 でもさ、巧スポーツ推薦だったのに無理矢理蹴って俺に合わせたんだ。しかも巧勉強苦手なのに必死に勉強して……マジで感謝以外何もないよあいつには……」 ……すごい……白河君…… 私が智久君の友達だったとしても、そこまでできる自信なんてない。 あまり人と関わろうとしない智久君が、ずっと白河君とだけは一緒にいる理由が分かったような気がした。 「そんでもって巧のなすがままで岸本と付き合う事になって、女にも少し慣れて、あいつは神かって感じだよな」 「クスッ!」 智久君の冗談めかした言葉で、お互い思い切り笑った。 そっかぁ、私達を引き合わせてくれたのは白河君だったんだなぁ…… 今更になっちゃうけど、智久君同様にホント感謝だ。
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