始まりの冬

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「この人は、岸本真由(きしもとまゆ)さん、学年一の美人って呼ばれてる人で同学年には勿論、先輩達の間でも有名だよ」 巧は、一気に言い放って呼吸を調える。 「そんな大層な人間じゃないから……」 岸本が恥ずかしそうに言い出すが、俺はその行動の意味が分からない。 さっき自分を知ってて当然みたいな発言をした人間だ……今更謙虚な姿勢見せたって遅いんだよ…… 「それで話こじれちゃったけど、岸本さんはなんで智久と話がしたいの?」 巧が再び岸本に問いただす…… ……ホントに……コイツがそんな事言い出さなければ普通に帰れたのによ…… 「えっ……それは……とりあえず二人で話したいの!」 ……はっ……? 何を言い出すんだこの女は? 「冗談じゃねえ!さっさと帰るぞ巧……」 「まあ待って待って」 「グハッ!」 俺が帰ろうとするのを首元を掴んで阻止する巧…… もう行かないから離せ馬鹿! 「分かった岸本さん、5分あげるからその間に言いたい事言って」  
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