始まりの冬

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「はっ?何勝手に決めてんだよ?」 巧の軽率な発言に苛立ちを隠せない俺…… 「智久……これだけ大声上げて岸本さんに迷惑かけてるのに、何もしてあげないなんておかしいよね?」 巧の眼差しが鋭く俺を見る。 ……ちょっと待てよ、俺が声上げたのはコイツが気安く俺に触れてきたからだろ?なんで俺のせいにされなきゃいけないんだ? 「……智久……?」 「……ああ分かったよ、話せばいいんだろ!」 そして俺は廊下を歩き出す…… 「どこ行くんだよ!?」 「美術室だよ、あそこなら今空いてるだろ?」 巧に返事をして再び歩く…… 話なんて即行で終わらせてやるからな…… 巧も巧だ…… 俺が女子と話したくないって知ってんのに、なんで会話させんだよ…… アイツも学年一の美人の評価を上げたい奴って事かよ…… 俺は、多少親友に失望しながらも美術室に向かった。 美術室に着くと、案の定人はおらず、俺と岸本が二人でいるという展開になった。 「で、話って何?」 俺は早く終わらせたかったので、すぐに話を切り出した。 だが岸本は、俺にとって意外過ぎる発言をした。 「と、と、友達になりたいの!!」  
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