25039人が本棚に入れています
本棚に追加
/213ページ
たった一度の裏切り……
その重さが大きな意味を持った。
きっと俺が恋愛感情を持つ事は二度とないんだろうな……
始業式……
俺の中では一番欝陶しい式だ。
校長が、休みでの素行や生活態度に批判をし、学校の教育理念を語り出す……
……まったく……さっさと無駄である事に気付けよ……
俺はただ、体育館の寒さに身体を震わせるばかりだった。
「ああさみぃ……」
「ホントに智久は寒がりだね」
長かった始業式を終え、教室に帰る途中、巧と並んで歩いていた。
「うるせえよ、寒いもんはしゃあねえだろが……だいたい巧は暑がりじゃねえか」
「いいもんね、寒がりの智久よりはマシだよ」
「何を?寒がりは何枚も服着てカバーできるが、暑がりは何もできねえだろ?」
「プールに行けばいいじゃん、そうでなくても水分補給を適度にすれば問題無いじゃん!」
……俺は何をしてるんだ?
結局、暑がりの方が大丈夫という結論になり、教室に着く事になった。
こういう時の巧の言葉押しの強さには、毎度感服してしまうものがあった。
最初のコメントを投稿しよう!