始まりの冬

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教室でしばらく待機すると、先生が入ってきて、宿題等を集める。 「智久全部やったの!?」 「当たり前だろ、課題ぐらいやれないでどうして社会に出れんだよ」 「うわー、親父クサッ」 「ほっとけ!」 俺はやった課題を提出しに行く。 だが、全て提出しているのはクラスの半分前後、後は一部出したり、全く出さなかったりで、俺は、未来の社会への恐れを感じた。 「はあ、面倒臭い一日だったな」 先生による、三学期の行事の説明や諸注意を聞き、今は終礼を終えて廊下を歩いている。 「智久、始業式で面倒臭いなんて言ってたら、普段なんてもっと面倒臭いよ?」 「それはない。授業なら得られるものも多いからな……」 「なんか智久……気持ち悪いよ」 ……この野郎……地味にキツイ事言いやがって…… 俺が巧の言葉に多少ダメージを喰らってる時だった。 「あ、あの!!」 後方から女子の声が聞こえてきた。
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