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老人は間接が錆び付いたブリキの玩具のように振り向いた。
「ひょっとしてクロムさんではありませんか?」
メイは改めて老人を見つめた。確かに町の人から聞いたクロムの特徴と一致する。
「確かにワシはクロムだ。お前さんは?確か……コーコなんとか」
「考古学者フレイ・アシュロックです」
「考古学?そんな人がワシに何の用だ?」
「『メト伝説』についてお聞きしたいと思い、貴方を探していました」
クロムは『メト伝説』と聞いてあからさまに顔をしかめた。
「伝説なんざ、この老いぼれに聞くよりもっと相応しい人がおるだろう?」
「いえ。貴方以外伝説を語るに相応しい語り部はいませんよ」
フレイはクロムを試すように微笑んだ。しばらくクロムは視線をあちこち移動させながら考え込んでいた。そして、大きなため息を漏らした。
「わかったわかった。なら付いてきなさい」
クロムは杖を使いながらゆっくり歩き出した。三人はその後に続いた。クロムの歩きはあまりに遅くて、目的地に着くまでに日が暮れ、夜が明けてしまうかと思った。
まあそんな訳ないのだが。
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