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漆黒の長い髪を風になびかせて、無邪気に走り回る真紅の瞳が特徴的な少年がいた。7、8歳くらいのこの少年の名前はズゥ。
「コラァ!待ちなさい!」
後ろのほうで少年を呼び止める声がした。振り向くと14・5歳の少女が顔を赤らめて睨んでいる。しかし、少年は笑いながらまた走り出した。その姿は無邪気で優雅で全ての理から自由な姿だ。
「もうズゥたら!先生も何か言ってください!」
怒り顔の少女の名前はメイ。そして、メイの後ろには真っ白な口髭を蓄え、白髪混じりの髪の眼鏡を掛けた老人がいた。彼の名前はフレイ。年齢不詳の自称考古学者だ。
「無駄だよ。あの子は誰からも縛られないし、誰にも縛れないよ。それに久しぶりに晴れたんだ。ズゥの好きにさせてあげなさい」
フレイは優しい声で言った。
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