涙の都

4/7
前へ
/28ページ
次へ
アクリア。 湖に浮かぶ孤島に作られた都で、孤島と陸を行き交うには船を利用する。涙の都と呼ばれる由縁はいくつかある。愛する者を失った女神が彼の大好きな虹を作るのに自らの涙を使い、やがて涙は涸れ、女神は島になり女神の涙が湖となったという話が1番有名だ。 「なんだか……悲しいですね」 「どうして?」 「涙って悲しい時に流すから……その女神様も大好きな人がいなくなって悲しくて泣いたんですよね?やっぱり悲しいです」 「そうとも限らないさ」 渡し船の甲板からアクリアの町を眺めながらメイとフレイは話した。ズゥは初めて乗る船におおはしゃぎだ。 「今回はその伝説を調べるんですか?」 「いや。調べるのは別の伝説。……船頭さん『メト伝説』って知ってますか?」
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加