涙の都

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フレイの後ろに続いてアクリアの街を歩くズゥとメイは至る所にある石像に見とれていた。ここアクリアは涙の都と呼ばれている他に芸術の都とされている。街のあちこちに石像や彫刻、建物の中には絵画やら装飾品が列び、町全体で美術展を行っているようだ。観光客も多く、一つの石像の前に立って一日中動かない人もいるそうだ。 「町の外れにはアトリエ街っていうアトリエの密集している地区もあるそうだよ」 「先生!明日見に行ってもいいですか?」 魚が餌に食らいついたようにメイが尋ねた。 「メイ……私達は観光で来てる訳じゃない。旅費だって限られている。あまり長くいれないんだよ?」 メイは玩具を親に取られた子供みたいに落ち込んだ。それを慰めるようにズゥはメイの背中をさすった。 「……だから早く調査を終わらせてから三人で観光しようね」 フレイは優しく笑いながらメイの頭を撫でた。落ち込んで暗い顔のメイも花が一気に開花したように明るくなった。 「はい!頑張ります!頑張ろうね、ズゥ!」 「うん!ズゥ、がんばる!」 三人は笑いながら調査期間中宿泊する宿に入っていった。
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