絶望

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「拓也。汝は今、その女性、詩織を法の認める結婚により、彼女を妻とし、夫婦になろうとしています。汝はこの結婚を、神の導きによるものだと受け取り、その教えに従って、夫としての努めを果たし、病めるときも、健やかなるときも、富めるときも、貧しきときも、死が二人を分かつまで妻を愛し、その命ある限り、汝の妻に対して、全てのものを捨て去っても、誠実でいて、堅く節操を守ることを誓いますか?」 何故俺はここにいるんだろうか? 彼女の隣にいるのは俺じゃない。 その現実に押し潰されてしまいそうだ。 新婦である詩織は、俺の愛する人。三つも年下だと言うことを忘れてしまうほど、大人びた顔をしている。 俺は、愛する女性の結婚式に出席しているのだ……
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